相手に「YES!」と言わせる影響力の心理学


私たちの日常の会話や取引の中には、人をうまく操作しようとする力が働いています。 なぜ「YES!」と言ってしまうのか。
他人の誘導に惑わされず、判断を間違わないように、心理操作や罠にハマらない知識を身に付けましょう。
①相手に「YES」と言わせる6つのカテゴリー
相手に「YES」と言わせるためには6つのカテゴリーがあると言われています。
・返報性…人から何かをもらうとお返しをしたくなる傾向
・一貫性…人が自分の信念を表明した時にそれに従って行動する傾向
・社会的証明…ある行動を取る人が多い時それが正しい行動だと考える傾向
・好意…自分に好意的な人に対して好意を持ちやすいという傾向
・権威…人は権威のあるものにひれ伏しやすいという傾向
・希少性…人は希少なものを重要視する傾向
また、これらは単独ではなく複数の要素が組み合わさって機能しています。 みなさんも相手からお願いをされて気軽に
「YES」と言ってしまい、後悔したことはありませんか?まずはこのカテゴリーを思い出して冷静な判断をするように心掛けましょう。
②心を惑わす仕組み
人は損をするのが大嫌いです。そして、損を避けたいがために正しくない判断をしてしまう事があるのです。
その背景に人は、何かを所有すると所有していなかった時よりもその価値を高く判断する、という性質を持っていることを
しっかりと理解しておきましょう。 これは実際に所有している物だったり、生活状況などの環境にも当てはまります。
今ある物を手放したくない、今の生活環境を変えたくない、などという思いから、 人は現状維持を好む傾向にあるのです。
これこそ「損をしたくないから」という意識から生まれる傾向です。物も現状も手放すことは損失で、現状より良くなる保証はありません。
損は私たちの判断に大きな影響を与えています。
③比較対象が不適切だと適切な判断ができない
人は何かの価値を判断するとき、何らかの比較対象を基準にします。例えば洋服を買いに出かけた場合、
たくさんの種類を比較して「いいな」と判断したものを購入します。 しかしこの比較対象が不適切だと、適切な判断ができないのです。
例えばAとBのブランドの洋服が30%OFFで売っている場合、人はどちらを買うべきか適切な判断ができません。
しかし、そこにAブランドの10%OFFの商品を追加して、 比較対象を3つにした時に、人はAブランドの30%OFFの洋服を
買いやすくなるのです。これは「Aブランドの値引き額の違い」というはっきりした比較対象があるからです。
このようにおとりを取り入れることで人の選択を操作することができてしまうのです。 また、比較対象を多くすれば多くするほど、
人はどれがいい選択か分からなくなり、選択しない、という判断をすることも分析から分かっています。
簡単に騙されないためにも私たちがどのような事から影響を受けているのか、しっかりと理解しておきたいものですね。

